居残り調教2_ハッピーライフ-官能小説(happylives-novel)

牝獣(ひんじゅう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 ——日野草城

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居残り調教2

15-06-14 09:08

翌日から、文菜先生の授業には少しずつ変化が見られた。
それは意識している僕だからこそ気づいた些細なもので、クラスメイト達が見ている先生は、おそらく普段と変わらない。
優しく美人で、時に手をあげる場合もあるけれど…叱られてなお好きでいられる、憧れの存在。
知る人がみなそんな評価を口にするのは、やはり外見だけでない文菜先生そのものの人柄にあるのだろう。
僕もずっと、そんな文菜先生に憧れていたのだ。

「授業の終わりに小テストをします、…はい、じゃあ今から5分間自習、しっかり覚えてー」

僕は何でも言うことを聞くと約束したのだが、じつはあれから特別なことは何も起こっていない。
確かに気まずさはあるが避けていたわけでもなく、今朝だって挨拶をしたら「おはよう」と笑顔で返してくれたばかりだ。
以前と変わらない関係。
もしかしたら…あの出来事は文菜先生が熱心さから、少しいきすぎた指導をしただけなのかもしれない。
僕がそんなことを思い始めると、

「7点いかなかった子は後でお尻ぶってあげます」

狙いすましたようなタイミングでそんなことを言うのだった。
小テストは1問1点、誰にでも解ける簡単な10点満点の計算問題で、もちろん僕にも解けないわけがない。
だからこそ、僕はためらってしまった。

(わざと6点以下をとれば…、後で文菜先生に……)

快感が鮮明にフラッシュバックする。
まだ授業中だというのに、悶々とした葛藤による文菜先生の姿が現れては消え、自習中の静かな教室で自身の息づかいだけが切り取られたように聞こえてしまう。
またもやの勃起に気づいたのは、小テストが始まる直前だった。

(まずい、こんな状態で前へ出ろって言われたら…)

文菜先生は「後で」としか言っていない。
放課後2人きりで…、という意味なら僕にとっても望むところだが、小テスト直後を指しているとしたら話が変わってくる。
勃起したまま出ていって、仮に、文菜先生がいつも通りの口調でお尻をぶってくれたとしても…誰にも気づかれないというのは難しいだろう。
それどころか、万が一、お尻を叩かれながらみんなの前でイッてしまったら?
あり得ない話ではない。
現に今も、お尻をぶつというひとことだけで勃起しているのが僕なのだから。

「…はい、そこまでー、隣の人と交換、採点してあげてー」

ドッ、ドッ、ドッ…心臓の鼓動が聴こえる。
僕は最後まで迷ってしまった。
ここで罰を受けることになったら、これまでの僕としては過ごせなくなるかもしれない。
文菜先生との秘密は守られても、クラスメイトや、噂の届くような親兄弟にだって話は伝わるだろう。
しかし。
そんな風に関係の破滅を天秤にかけても、もう一度くらい叱ってほしいと願ってしまう僕もいた。

「あー惜しいー、7点!よかったねー、助かって」

隣の女子は、冗談めかしてにこにこ笑いながら採点済みの答案を手渡してくれた。
どうやらクラスの大半、特に女子は「盛り上がる罰ゲーム」程度にしか考えていなかったらしい。
もちろん自分自身が受けるとなると、その限りではないだろうが。

「…はい、今日はみなさん優秀でした、よく頑張ったわね」

足切り8点にしとけばよかった、の呟きで、どっと笑いが起きる。
あんな問題間違えるヤツいるのかよ。
お調子者が周囲を見回したあたりで、文菜先生がひとつ咳払いをした。

「そんなこと言うんだったら、今からでも満点のみ合格にしてあげるけど?」

結局、文菜先生の言葉どおりにはならなかった。
周囲の謝れコールにお調子者が「ごめんなさい」と折れる形になったのだが、案外8点や9点の子が多かったのだろうか。
罰を選択しなかった僕に対しても、先生は何も言ってこない。

(あぁ…、もしかして、嫌われたかなぁ…?)

何事もない学校生活が続いてゆく。
罰の告知で勃起したりは相変わらずな僕だったが、そこから1歩がどうしても踏み出せなかった。
あれからもう11日が経ってしまう。
僕にしてみればずっとお預けをくらっているような状態で、我慢も限界にきていた。
自分以外の誰かが軽い気持ちで忘れ物をして、文菜先生に呼ばれ、お尻をぶたれていると思うと。
決して許せない気持ちなどでなく、たまらなく羨ましい、僕も同じようにできたらと望まずにはいられなかった。

(うぅ…こんなに我慢するくらいなら、いっそ…)

パシン、と。
不意に打たれたのは、僕のお尻だった。

「せ、先生っ……!?」

「あ、ごめんごめん、びっくりさせちゃった?」

ふり返ると、文菜先生が微笑んで僕に手を振ってくれていた。

「ど、どうしたんですか…?」

驚きで声が裏返った僕を見て、くすくすと笑う。

「うん、今日の身体測定ね、男子が先だから…クラスの子達に伝えてもらおうと思って」

「…わかりました、戻ったら伝えま……」

何だ、それだけのため?
承諾しかけたところで、下半身の違和感に気づく。

(あ…、ああぁっ……!?)

見事に勃起していた。
あれからずっと言葉だけでこうなってしまうというのに、軽い1発とはいえ叩いてもらったのだから当然といえば当然だ。
神経を研ぎ澄ませれば、わずかながらお尻に残るひりひりとした痛みも感じることができる。
こんな状況で、いまの僕が平気でいられるずがない。

「ふふ、どうかした…?」

よく見れば妖艶な笑みは、あの時と同じである。
違うのは放課後でなく朝の学校で、周りに人の目があるということ。
幸いにも休み時間は終了していて、僕は毎朝の「朝学習」と呼ばれる自習時間にトイレへ立っただけだった。
そもそも、よく考えればおかしい。
いつも文菜先生は朝の挨拶、連絡事項を終えると一旦職員室に戻り、朝学習の終わる時間にはまた教室へやってくる。
ちょうど今くらいの時間帯だ。
つまり、こんなタイミングでわざわざ僕に「身体測定がある」などと伝える必要はない。
まさか。

(わざと、僕をこんな状態にするために……?)

「ほら、ちょっと急がないとチャイム鳴っちゃうよー」

文菜先生は1歩も動こうとしない。
愉しんでいるのだ。
妖艶な笑みは、もはや数歩離れてもわかるほど露骨になっている。
僕は文菜先生から遠ざかるにつれ何度も性器の位置を確認し、できるだけ目立たないポジションを意識して教室に戻った。
平常心、平常心。
扉を開ける際、やや注目を集めてしまったが自習時間ということで向かない者も多かった。

(よかった、これなら平気だ…)

後はどうやって目立たず身体測定の件を伝えるかだったが、そこは問題なく済んだ。
声の大きな女子に伝わるように、周囲にだけ伝えたのだ。

「男子から測定だってー、保健室行ってー!」

「まだ先生がきてねえだろ」

「あ、そっか!」

これで僕が注目されることはない。
勃起はおさまらないままだったが、机で隠れているため追及の目は免れることができた。

「起りーつ、礼!」

しばらくして文菜先生がやってくると、男子が先に、言われたとおりにガタガタと移動準備を始める。
僕はまだ、いまひとつ理解できていなかった。
文菜先生が僕に、本当は何をさせようと狙っていたのかは、すぐに知ることになる。


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